2022/3/29

東洋医学との出会い

  東洋医学との出会い
 
                           
私が漢方薬や鍼灸、整体などの治療を身近に感じるようになったのは、妻がそれらの治療を結婚前に既に受けていたからです。
妻は、突然具合が悪くなって倒れてしまうことが時々ありました。この時は呼吸が止まってしまうように思えるほどでした。チェーンストークス呼吸というのだそうです。当時調べたら命にかかわる場合もあると書かれていて驚きました。
彼女は結婚前に既に、福島市で開業されていた馬場先生という方に泊まり込みで整体の治療を受けていました。馬場先生にはお弟子さんたちも沢山いたそうですが、彼女の治療は難しいからということで、お弟子さん達には任せず、先生が直に診てくれていたそうです。或る日、呼吸が苦しくなって困っていたとき、馬場先生が彼女の左足の関節を矯正したら、途端に呼吸が楽になったそうです。
この話は当時の私には非常に印象的でした。
このことが、後になって経絡の問題、ハリ治療と整体治療との違い、更には湯液(漢方薬)との違いを私に考えさせてくれるきっかけになりました。
その後、私と結婚してから、針治療も受けるようになりました。
この針の先生は、森下自然医学で有名な御茶ノ水クリニックから紹介して頂きました。ノイロメーターという機械を使って良導絡治療をする針のI先生でした。或る時彼女が治療を受けている最中に、手足が震えて硬直したようになる発作が起きてしまい、I先生は発作を抑えるのに、人中という鼻の下の溝を圧迫したりしていましたが、なかなか収まらず困っておられたこともありました。 
その後、自然食の販売をされていた方からの紹介で、当時恵比寿で開業されていた太霊堂の鈴木慶樹先生の治療を受けることになりました。
彼女の治療開始1年後には、私自身も或る特殊な原因不明の病状で、鈴木先生の治療を受けることになりました。この鈴木先生との出会いが、彼女にとっても私にとっても、非常に大きな転換点になったと考えています。
特に私の場合は、弟子などではなく、患者という立場にも拘わらず、東洋医学というものの根幹といえる考え方を、治療を通して授けられたという印象でした。
スタッフ紹介のところでも書きました荒木正胤氏の事を教えて下さったのはこの先生でした。
鈴木先生の治療の結果、彼女は大変元気になり、5,6年後には子供も産める体になりました。
私の方は、東洋医学への関心を一層強く持つようになりました。
こうして、ついに鍼灸師の道を選ぶことになった次第です。 
次回からは、この鈴木先生のことについて、いくつか思い出話を書いてみたいと思っています。